はじめに:なぜ“幼少期”が重要なのか?
プロテニス選手として世界で戦うためには、
単に技術や体力を高めるだけでは不十分です。
重要なのは、「どのような成長プロセスを
辿ってきたか」です。
特に、10歳以下の育成環境や身体づくりが、
その後の“伸び代”を決定づけることが、
国内外の多くのトップジュニアの軌跡から
明らかになっています。
1. 【幼少期】5〜9歳
技術より「感覚」「動き作り」が優先される時期
素材力と身長を伸ばす“ゴールデンエイジ”
この年代では、フォームや打ち方よりも、
身体を自在に動かす力=定位能力・識別能力を筆頭とした
コーディネーション能力の育成が最優先です。
パワーハウス(体幹コア)の育成が鍵
腹横筋・多裂筋・横隔膜・骨盤底筋からなる
“パワーハウス”はすべての動きの起点。
安定性と運動連鎖を生み出す重要な要素で
近年のスポーツ科学では、**パワーハウス
(体幹深層部のコアユニット)**の発達が
競技力向上のスタートに直結する事が分か
ってきました。
“身長を伸ばす”環境整備は未来への投資
- 自由で楽しい運動体験
- ストレスのない空間づくり
- 継続できる栄養・睡眠環境
成長曲線の可視化と対応
身長・体重の月次記録とその停滞への
早期対応が不可欠です。
成長の遅れは、将来の身長や
体格を左右する重大な要素になり得ます。
この習慣は、全年齢で身長が止まるまで
継続するべき基本習慣です。
2. 【小学校中〜高学年】10歳
技術と戦術の融合期
この時期は、幼少期で育てた
「感覚・動き・体幹」をベースに、
実戦の中で使える技術と戦術理解を
育む重要なフェーズです。
鍛えるべき要素
- 戦術理解(左右・高低・深浅の打ち分け)
- 武器(フォア・サーブ・リターンなど)の確立
- 実戦経験(草大会・地域大会・総当たり形式)
すでに地域で戦績を上げて上位に位置する事
3. 【小学校高学年】11〜12歳
ジュニア期最初のランキングアタック期
世界で活躍できた選手の多くは
この頃に成績上げてナショナルや
盛田ファンドに登録されています。
全国選抜ジュニアが最初のチャンス
早い選手で11歳から出場しています
鍛えるべき要素
- 国内でレベルがどの位置にあるか?
- 世界で戦えるスタイルになっているか?
- 実戦経験(常に課題と向き合う)
強いだけではダメ、世界で戦わせたいと
思わせるスタイルが必須
4. 【中学生】13歳〜15歳
ITFジュニア・全国大会に向けた基盤形成期
12歳で選抜を逃したした選手は
14歳の選抜など全国にチャンスを繋ぎます。
国内トップを目指しながら、13歳では
ITFジュニア大会などの国際舞台にも
挑戦する時期です。
思春期によるパフォーマンス変動にも
注意が必要です。
鍛えるべき要素
- トレーニングと身体づくり
- 海外選手との対戦による刺激と対応力
- メンタル・食事・休養・時間管理の自己管理能力
- クラムジーなどの対策
- 女子は初潮後の体調の変化に注意
第2次性徴期によるレベルダウンを
発生させる時期でもあります
身体の変化が著しい選手は注意が必要な時期です。
5. 【高校〜U18】16歳〜18歳
プロ or 大学進学の岐路
選手としての進路=人生の選択が問われるタイミングです。
主な進路パターン
- ITFランキングを基にプロツアーへ進出
- 海外・インターハイで競技を続ける
必要な準備
- グランドスラムジュニア(AO・全米など)の出場
- 資金・遠征体制の整備
- 語学・生活スキル・SNS管理を含むプロ意識の確立
6. 年齢別に見る戦績の理想
錦織プロのようなペースで理想を作成
| 年齢 | 戦績の目安 | 育成ポイント |
|---|---|---|
| 9歳 | 対外試合で初戦績を記録 | 基本動作と試合経験の積み上げ |
| 10歳 | 地域で名前が出る存在に | フォームの精緻化と判断力 |
| 11歳 | 地域ランキング上位へ | 武器の確立とメンタル育成 |
| 12歳 | 全国大会出場・戦績獲得 | ナショナル・海外展開の基盤づくり |
| 13〜15歳 | ITFジュニア出場 | 国際対応と体力の向上 |
| 16〜18歳 | ITF上位・GSジュニア出場 | 進路決定とプロ準備 |
あくまでも、最短の理想ペースですので
ここから外れたからといって
プロになれないわけではありません
まとめ
「素材・動き・身長・環境」すべてが未来を決める
世界で戦えるプロになるには、
10歳以下の“素材づくり”がすべての起点です。
「動き」「感覚」「パワーハウス」「成長曲線」
これらが揃って初めて選手の
真の成長が始まります。
成長は偶然ではありません。
計画的に可視化し、継続し、変化に適応すること。
それが未来を変える鍵です。
今回述べたような要素がたまたま揃っていた
選手が運良くプロになった例が多いです。
逆に何が不足をしてるかと言うことがわかれば、
努力によって作ることができるのです。
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